【デジタル根っこの育て方】第5回 「スマホで写真撮りまくるとかえって記憶に残らない?」 子供に気づかされた日
2015.1.26
我が家の5歳児は週末の夕食後はたいてい「レゴやろう」と誘ってきます。晩酌中でも必ず何かしら作らされます。そしてその成果物は家のあちこちに数日間配置されます。平日の夜は妻と折り紙やお絵かきをしているらしいので、家の中は彼女の作品だらけになっています。その件に関して先日こんな会話になりました。
私 「うまく作れたのはわかるけど、ばらさないと次の作れなくなるよ?
自分のデジカメあるんだから写真撮ればいいじゃん」
娘 「私のカメラは暗いし、あとでみてもわからないんだもん(※)」
私 「そしたら、パパのカメラ貸してあげるけど?」
娘 「ううん、いい」
私 「なんで?」
娘 「写真じゃなくて、しばらく飾っておきたいの」
私 「なんで?」
娘 「どうやって作ったのかとか、見ないとわからないから・・・」
私 「写真でもわかるんじゃない?」
娘 「でも、難しかったとことかさー、はずしたり、またつけたりしないと、
わからないじゃん」
(※)子供用カメラなのでISO感度が低いのです
ちょっと前までは自分から進んで撮っていたのですが・・・
どうやら彼女の言い分としては、レゴは立体なので写真1枚だけだと見えないところがでてくる。そこが、自分だけで作れなくて、私と一緒に作ったところだったりすると、あとで写真見ても再現できないので、しばらくはいじれるようにしておきたいということでした。なるほど、どうりで何を作ったか正確に覚えているわけです。私は先週何を作ったかほぼ忘れています。
そこでふと気が付きました。
最近、写真撮ることに一生懸命で、その時のことをあまり覚えていないような気がするぞ・・・と。
たとえば、一昨年のサッカーワールドカップ予選のオーストラリア戦を観戦したときのこと。あまりにいい席がとれたことに舞い上がった私は、写真ばっかり撮っていました。帰宅して録画しておいたビデオを確認すると記憶にないシーンがチラホラ。「あー長友こんなに長い距離を走ってたんだ。でも、こんなシーンあったっけ? もっとちゃんと見ておくんだった…(泣)」
と後悔したものです。
この現象を「写真撮影減殺効果」と名づけ、
撮影と記憶について研究している方がいるようです。
http://www.cnn.co.jp/tech/35041232.html
これによると、やはり、写真を撮るとその被写体についての記憶は薄れる傾向にあるそうです。「カメラを取り出すと、自分が見ているものに注意を払わなくなり、実際にそこにいることよりも写真を撮ることの方が大切になる」と指摘しています。
うー、確かにそのとおり・・・。うちの子供がレゴの作り方を覚えているのは、写真を撮らないからだけでなく、作った後もいじっているからだとは思います。だとしても、我々はデジカメに頼りすぎて、自分の目に焼き付けることを忘れがちになっているのは否めません。「デジタルが人と社会を豊かにする」と信じるデジタルハリウッドのスタッフとしては反論したいところですが(笑)・・・。
でも、たとえば、デジタル一眼でファインダー越しにシャッターチャンスを狙ってずーっと待ち構えていることで、被写体を観察することになり、それが記憶を深くすることはあると思います。あと、アプリ、ウェアラブルカメラ、グッズの充実により、撮影自体が娯楽にもなってきました。デジタル化の恩恵で楽しみ方がどんどん拡がっていく「撮影」という行為をいまさら否定することは現実的ではないですよね。
ということで大事なのは月並みですがバランスですね!
写真を見ないとそのシーンを思い出せない、というのはあまりにも寂しいことです。
眼を閉じれば、あの日、あの時、あの場所、あの会話・・・が、思い出せることを前提に、進化するデジタルグッズで写真を楽しみたいですね。

